時間に追われた生活や人間関係のいざこざなど、ストレスの要因は至るところに存在します。「誰でも何かしらのストレスは抱えている」と不調を軽く見て放置していると心身に異常をきたしてしまうのです。
今回は心が疲弊したときに表れるサインを身体面と精神面に分けて解説。当てはまる項目があれば今すぐ休息をとる必要があります。大事になる前に自分の体がストレスに蝕まれていないかチェックしてみましょう。
身体面:心が疲弊したときに表れるサイン
食欲減退
「腸は第二の脳」と呼ばれるようにストレスと深く関係しているので、心の疲弊が限界に達すると食欲減退が起こりやすくなります。ストレスによる刺激が胃腸の働きを活発にして胃酸の分泌を促進します。すると多量の胃酸によって胃腸が荒れてしまうのです。量が減るほか食事の内容が変わります。
肉や揚げ物など脂っこいものを避けるようになり、野菜や魚などライトな食事を好むようになるでしょう。過労により胃腸が荒れすぎている場合は、料理を見るだけで胸やけを起こす場合もあるのです。
緊張型頭痛
頭痛には長時間に渡るパソコンの使用で起こる肩こりや腰痛が原因になるほかに、精神的ストレスが原因で起こる頭痛もあるのです。精神的ストレスが原因の頭痛は「緊張型頭痛」と呼ばれ、緊張状態が長時間続いた場合や脳を休息させずに仕事し続けた際に表れる症状。
脳の痛みを調整する部分が機能しなくなり頭痛を引き起こすのです。完璧主義で一切妥協をしない几帳面な人や、小さなことを気にする神経質な性格、勤勉で真面目な人が発症しやすいとされています。
過敏性腸症候群
ストレスが原因で胃の粘膜が荒れてしまうと起こる症状は食欲減退だけではありません。過敏性腸症候群という排便にも支障をきたす症状がみられるようになるのです。過敏性腸症候群の症状は下痢と思われがちですが、人によっては便秘の場合もあります。
まあ下痢と便秘を交互に繰り返すケースもあるため、食あたりや食べ過ぎと区別がつきづらいのです。一時的に終わらず数カ月続く場合は過敏性腸症候群の疑いがあるでしょう。
目のクマが濃くなる
ストレスを感じると緊張状態となり交感神経が優位になります。この状態が続くと血行不良を起こして体の様々な部位に不調が現れるのです。特に女性が気になるのが肌の変化。血行不良で十分な酸素が行き渡らないと肌荒れやくすみの原因になるのです。
中でも化粧でカバーしづらい肌トラブルが目のクマ。目の周りの血行不良により目の下が青くなり憑かれた印象を与えます。悪化すると濃さが増して広がってしまうので治りづらくなるのです。
精神面編:心が疲弊したときに表れるサイン
ミスが増える
心が疲弊すると脳が酸欠状態となって脳自体も疲弊してしまうのです。すると集中力が維持できずにミスや失敗が増えてしまいます。さらに理解力が低下して作業効率が落ちるほか、読んだ本の内容が頭に入らない、頭の回転が遅くなり会話中に言葉が出なくなるといった支障をきたすのです。
いつもと比べてミスが続く場合や、仕事のスピードが落ちたと感じたら心の疲弊を疑いましょう。
感情が不安定になる
心が疲弊していると思考が整理できないため感情的になる傾向があります。些細なことで傷つき自分を責めてしまうほか、他人の何気ない一言に悪意を感じて怒り出す、今の自分が惨めに感じるなど突拍子もなく負の感情爆発するのです。
弱っている時ほどネガティブなものに目がいってしまうので、毎日何かしらの負の感情を抱えていたらストレス過多かもしれません。
不眠が続く
心が健康であれば就寝時にベッドに入ると副交感神経が優位になりリラック状態になります。しかし、過度なストレスを抱えているといつまでも交感神経が落ち着かず脳の興奮状態が続くのです。すると眠気が訪れず不眠が起こります。また、心が疲弊していると就寝時に不安や悩みを考えこむ癖がついてしまうので、その習慣も不眠に影響していると考えられるでしょう。
涙が出る
「涙は心のデトックス」と言われる理由は、泣くと副交感神経に切り替わり心が落ち着く効果があるため。またストレスにより分泌されるコルチゾールというホルモンを輩出する作用があるからでしょう。そのため、人は強いストレスや悲しい出来事が起こると、精神を安定させるために自然と涙が出るといわれています。
涙が出るのは自分自身で処理しきれないストレスを抱えている証拠です。泣くサインを送る自律神経が乱れているのでしょう。
心身の不調は早期解決が大事
心の疲弊が悪化すると、仕事だけでなく日常生活を送ることさえ難しくなります。放置すると治りが遅くなるので、不調が表れる前にストレスを解消する心がけが大切なのです。
豊かな生活は心身の健康によって成り立つため、ストレス過多を感じたら無理をせず早めに休息をとりましょう。