真夏の心霊恐怖体験サマーリゾートで起きた怖い話
行楽シーズン真っ盛りの7月～8月。この時期に各地のリゾートや観光地で怖い体験、あるいは理解不能な奇妙な体験に遭遇したというお便りやメールが毎年、数多く寄せられています。今までに送られてきた体験手記の中から、5つの話をピックアップして、連載形式でご紹介いたします。各体験談ともに追加的な取材を試み、その信憑性についても確認済みです。さらに霊能者の先生に依頼し、専門家の立場からの特別コメントもいただきました。真夏の恐怖体験談をじっくりとお楽しみください。
心霊実録File.03「お母さん、手が落ちてるよ」～東京都内・某遊園地
昨年の8月、私と主人、小学1年生の息子の3人で帰省した時の体験談です。夫の実家は東京の下町にあり、毎年お盆に里帰りしています。里帰りというと普通は東京や大阪などの大都市から地方へ帰るわけですが、我が家の場合は一般とは逆コースなので、いわゆるお盆ラッシュの混雑に合うこともなく、その点はとても快適です。主人の家には1週間滞在していたのですが、最後の日に息子がどこかへ遊びに行きたいと言い出して、私達家族の他に義父母も連れ立って車で出立しました。
場所は東京の郊外にある、大規模な遊園地。最新のジェットコースターなど一通りの乗り物で遊んだ後、夏季限定アトラクションのお化け屋敷に入りました。義父母は日陰のベンチで休憩中。主人もタバコを吸いたいと言っていたので、私と息子の2人で入場したのですが……。
屋内には機械仕掛けのオバケだけでなく、所々に幽霊やゾンビの扮装をした人間など配置されていて、なかなか趣向を凝らした作りになっていました。息子は怖がりながらもかなり喜んでいる様子で、私をおいてどんどん先へ進んでしまいました。暗がりの中、後を追いかけていくと幽霊が顔を出して驚かせる古井戸の前に出ました。そこで息子は井戸のセットの裏側へ回むなり、ピタリと足を止めてしゃがみ込んでしまいました。「どうしたの？」と後ろから声を掛けると、「お母さん、手が落ちてる」と言って足許を指差したのです。
井戸脇の床には、女性のものとおぼしき白い左手首が落ちていました。アトラクションの一部にしては、やけに目立たないな。オバケ役の人が落とした小道具か何かな？そんな思いと同時に奇妙な違和感を持ちました。見れば見るほど生々しくて、どうみても本物の女の手にしか見えないのです。
「気持ち悪いね、そんなの良いから先へ行こう」と促しましたが、息子は一向に立ち上がらず、まるで魅入られたように手首を凝視していました。そして突然、「この手、動いてる！」と言い出したのです。次の瞬間、赤いマニキュアの指先が本当にモゾモゾと蠢きだし、怯んでいる息子の腕をガッチリと捉えました。息子は烈火の如く泣き出して、「お母さん！お母さん！」と助けを求めてきました。
いくらお化け屋敷の仕掛けでもこれは度が過ぎる！私は腹を立てながら、女の手を引き剥がそうとしました。しかし爪先が深く食い込んでおり、なかなか取ることができないのです。さらにその感触が異様に冷たくブヨブヨしていて、本当に気持ちが悪かったです。そのうちに、私達の異様な騒ぎ様に気付いたオバケ役の男性の1人が声を掛けてきました。
「大丈夫ですか？」
「ちょっとこれ、何よ！子供が怪我をしたらどうするのよ！」
思わずまくし立てた私の顔を男性はきょとんとした顔で見返しました。ふと泣きじゃくる息子に目を向けると、いつの間にか女の手は消えていたのです。お化け屋敷を出てから従業員に謝罪と説明を求めたところ、「このアトラクション内にそのような仕掛けはありません」と言われました。息子の手首に浮き出した5本の指跡も、私がつけたものではないのかと。それ以上は反論せず、大人しく引き下がりました。腹立たしさよりも恐怖感の方が強くなったからです。あの女の手は一体なんだったのか。今でも思い出す度に背筋が寒くなります。
（投稿者：新潟県新潟市在住・田中翔子さん・32才）
霊能者による真相究明コメント
遊園地のお化け屋敷やホラーアトラクションに本物の幽霊が出るという都市伝説は、昔から連綿と語り継がれています。しかし、そこには単なる作り話とも言い切れない部分があります。同じようなことですが、怪談話や心霊系のビデオやテレビを見ていると本物の霊が間近に寄ってくる、という話を聞いたことはありませんか。霊的な立場から言わせてもらうと、これは紛れもない事実です。人間が発する恐怖心や驚愕の波動に同調して、下等な霊体が引き寄せられてしまうのです。息子さんの腕を掴んだ女の手首もまた、そうした下級霊の念波動が一時的に実体化したものであると推測されます。また自筆の文面を通して霊視させていただいたところ、田中さんと息子さんは共に、先天的に霊感の強い体質であると分かりました。今後はお化け屋敷の類に限らず、俗に心霊スポットとされているような場所や風水の悪い土地などには、できるだけ近づかないよう心掛けていただきたいと思います。
