本来の能力や長所を発揮できないとき「これは本当の自分ではない」と思いたくなることがありますよね。不本意な評価を受け続けると自分自身がわからなくなり、本来の自分を見失います。本来の自分を取り戻すべく自分探しをする人がいますが、当てもなく安易にはじめると不幸体質になるデメリットがあるのです。
自分探しが不幸体質を作る3つの理由と、自分と見つめ合う方法を紹介します。自分探しの旅に出る前に参考までにご覧ください。
自分探しの目的と必要性
自分探しとは今までの生き方を見つめ直し、自分本来の力が最大限に発揮できる場所や環境を探すことです。自分と向き合うと新たな特性や本来の思考に気づけるメリットがあります。自分をより深く理解することで、人生を楽しく豊かに変えられるのです。
自分探しは哲学に通じています。ギリシアのデルフォイの神殿に刻まれている「汝自身を知れ」は、言い換えれば自分探しの必要性を示した言葉と言えます。世界中の哲学者が総じて「自分自身を知ることが最大の哲学における目的」と口を揃えて必要性を謳っています。自分を知ると自信に繋がり人生に迷うことがないのです。
不幸体質を作る3つの理由
1・お金と時間を消耗する
こんなにもメリットがある自分探しですが、場合によっては不幸体質を作る原因になりかねません。自分探しの方法を見誤ると、お金と時間を無駄に消費してしまうのです。 自分探しの方法として推奨されているのが旅。見知らぬ土地に行くと余計な情報や雑念をシャットアウトできるので、国内問わず海外にまで足を伸ばす人もいるほどです。
しかし、どこへ行くにしても目的を明確にしなければ単なる旅行で終わってしまい時間とお金をかけた意味がありません。旅先で得た経験や感覚をアウトプットすることで、初めて自分探しの意味を成すのです。
2・逃げ癖がつく
今後の人生を本気で考えて真剣に自分探しをすれば、たった一回でも得るものはあるはずです。一方で現状の不満を自分探しにぶつけて逃げるための防衛手段にてしまっては、何の成果も得られません。それどころか困難が訪れるたびに「また自分を見失ってしまった」と言い訳をいい反省しなくなります。
さらに、本来の自分でいられない理由を環境や周囲の人のせいにして自分を正当化しだすのです。自分を理解しない周囲が悪い、自分を生かしてくれない環境が悪いといい続け、永遠と逃げまどう不幸な人生を送ることになるでしょう。
3・さらに自分を見失う
自分探しをした際に現状よりさらにつらい体験をしたら、素直に受け入れられるでしょうか。自分の不甲斐なさや弱さを認められたら十分自分探しの意味があるといえます。ただし、つらい体験を環境やタイミングのせいにしたり、さらに落ち込んでしまったら自信を喪失するだけです。
自分探しに対してポジティブに考えすぎるのは要注意。本当の自分は優秀で人間関係も円滑にできると過度な期待をするでしょうが、マイナス面を直視できてこそ成長に繋がります。弱い自分を受け入れずネガティブにしか捉えられない人は自尊心が傷つき、自分を認められない不幸体質になるのです。
好きなことに向き合い今の自分を認める
本当の自分を見つけるには、まずはやりたいことや好きなことに向き合う。自分探しをする際に今までとは真逆な環境や今まで接点がないことを始める人が多いです。しかし、今までやってきたことや好きなことに時間をかけて向き合うほうが整理もつきやすいのです。真剣に取り組んで成果が出なかったり違和感を覚えたりしたら、終止符を打って新しい環境にトライしましょう。
理想像と現実がかけ離れている人ほど今の自分を否定しますが、どんな境遇にいてもすべて本当の自分なのです。なぜ今の自分を否定したくなるのか考えてみましょう。「活発な性格なのに暗い性格に変わった」「他人を思いやれなくなった」「どこにいても自分の居場所がない」など、理由は人それぞれあるでしょう。ただし、どんな理由であってもその選択をしたのは自分自身です。
例えば、暗い性格に変わったのは、場の空気を読んでいるのが原因なのではないでしょうか。やる気を削がれて暗くなる人がいる一方で、闘争心に火がついて以前にも増して行動的になる人もいます。つまり本来の性格や思考が常に影響しているので、今の自分も本当の自分なのです。
自分探しはほどほどに
自分探しの目的は自分を知ることであり、新たな道を見つけるという明確な目標がなければ意味がありません。今の自分が嫌いで理想の自分がどこかにいると考えるのはただの現実逃避です。どれも本当の自分と認める勇気を持ちましょう。