12のハウス(室)それぞれがテーマを持つ
天体の配置図「ホロスコープ」を用いて、性格や人生を占う西洋占星術。生年月日だけでもかなりの情報が得られますが、出生時間と出生地がわかっているとさらに精密な占断ができます。12星座をあらわす円を、時間と場所から割り出す境界線で区切り、1~12のハウス(室)を設定します。各ハウスには意味があり、1室と7室、2室と8室など、向かい合っているハウスは、反対の意味を持ちつつ、共通のテーマを持っていると考えられます。6室とその向かいの12室について説明します。
目立たない事柄を司るハウス
6室が示す事柄は、主に肉体を使っての労働や奉仕で、健康問題なども含みます。対する、12室が示す事柄は、隠れた物事や潜在意識に関することです。6室が実際に目でハッキリと確認できるものだとしたら、12室はもっと不透明な印象です。しかし、あまり目立たない、裏方的な要素という点が似ています。
勤めに関することがわかる6室
6室と12室は、3室や9室とともに、「キャデント」というハウスの種類に分類されます。キャデントのハウスに入る惑星は、影響が弱くなるといわれています。ですから、まずざっくりホロスコープ全体を見たとき、キャデントに惑星が多い人は、どちらかというと控えめな人生を歩む傾向があるかもしれません。例えば、6室に惑星が多いなど強調されていると、その人にとって労働や健康問題は関心が高い分野です。ここでいう労働というのは、人に雇われ、人を雇う、雇用関係が発生するような仕事です。これは誰かに奉仕する関係に似ていて、起業のような目立つ雰囲気とはまた違います。自分ばかりが表に出ないと考えられます。同じく仕事に関連するハウスでも10室が強調されている場合は、自分の存在を社会にアピールすることに関心を持ちます。10室に惑星が入らず、6室に多く、さらに惑星の状態がよい場合は、その人は実直な勤め人としての生き方を好むでしょう。そして、惑星の状態がよくない場合は、不満やトラブルを抱えつつも、雇われている状態を継続しようとします。
見えないからこそ奥が深い12室
12室も6室と同じく裏方的なポジションのハウスです。ここに惑星が集中している人は、表舞台に立つ人生を好まないかもしれません。インドアな遊びが好きな人も多いでしょう。しかし、12室が暗示するのは、本人の状態だけではありません。12室が意味する「隠れた」の対象には、本人以外にその人に関連する人物も含まれます。例えば、女性にとって恋人を意味する火星が12室にある場合、付き合う相手が公にできない立場の人になる可能性があります。また、「見えない敵」を示す場所でもあるので、入室している惑星を見ると、その人の障害となる人物の予想がつきます。土星であれば、「年長者」や「指導者的な人物」となります。しかし、12室の面白いところは、地味で裏に回る性質が、かえって多くの人を相手にする表現者として活躍する才能につながる点です。それは、テレビを通して視聴者に存在を示す芸能人や、作品を通してファンを掴む芸術家や作家のように、直接ではなく、ワンクッションおいた形でのアピールとなります。静かな私生活とのバランスが取れて、本人も心地よいのです。
心が満たされる実のある人生
自分のホロスコープを読み込めば、人生がどのような方向に進みがちかわかります。6室や12室に惑星が多い人は、表面的なことだけにとらわれない内面の深みを大事にできる人でしょう。他人が思うより、ずっと充実した人生を送れるかもしれません。