男女は、入籍して結婚式を挙げれば、立派な夫婦として認められます。しかし実際は、夫婦として暮らす間、あらゆるやりとりや経験を重ねることで、はじめて「夫婦」になっていくといわれているのです。ではこの本当の意味での「夫婦」とは、どのような夫婦なのでしょうか。
本当の意味での「夫婦」は生活の中で成立する
日本では入籍すれば夫婦として認められます。挙式や同居は必須ではありません。しかし、世間体としては、挙式や同居が必要になることもあります。しかし、いずれも形式上のこと。互いの気持ちや絆があれば、それらも不要になります。そして、「入籍」という行動は、一つの出発点にしか過ぎないといわれているのです。夫婦として新たにスタートを切り、二人三脚で歩んでいく道の先に、ようやく本当の「夫婦」が誕生するのだといいます。
本当の意味での「夫婦」とはどのような関係か?
では、本当の意味での「夫婦」の定義を考えてみましょう。一言でいえば、生涯に渡って愛することを誓った最愛の人であり、何でも話せる信頼し合っている親友同士であり、長い人生を共に戦い続ける同志です。そして、日々の生活の喜び、苦しみ両方を分かち合い、時にはお互い励まし合う。そして、互いに助け合い、目標に向かって協力しながら達成していく。そこには、新たな時代を担う子どもを育てるという大きな役割も含まれます。このような理想的な関係こそ、本当の意味での「夫婦」といえるのです。
本当の「夫婦」が誕生するための道のり
では、このような理想的な本当の意味での「夫婦」が誕生するにはどのような道のりがあるのでしょうか。まず、大切なのは、新婚生活が始まると、誰でも相手の本性が分かり、多かれ少なかれ、失望するということを知っておくことです。特に、自分が許せない相手の本性が発覚すると、愛情が覚めてしまうケースも少なくありません。しかし、そこでむやみに悪いところ直すように相手を追い立てても、波風が立つだけで、かえって溝を広げてしまうだけです。そうなると、やがて、「こんな人だとは思わなかった」「だまされた」「結婚するんじゃなかった」という気持ちが生まれてしまいます。ポイントになるのは、いかに相手の許せない本性に対応し、解決するかということです。解決するには、指摘する側も、指摘する側も、両方が自分自身をしっかり振り返ることです。指摘されたほうは、素直に「相手はこの行動が許せないのか。子どもの頃からやってるから気づかなかった」と受け入れ、一度、考えを改める必要があるでしょう。そして指摘したほうも、相手のことばかりではなく、自分自身の視点は間違っていないだろうか、固定概念があるのではないだろうか。一つの見方でしか見ていないのではないだろうか、などと反省する必要があります。そして、自分自身も「相手にとって不快だが、自分にとって当たり前の行動」はしていないかを振り返ってみることです。これにより、お互いが精神的に一歩上のランクに上がります。このことにより、相手の悪い習慣が改善することもあるでしょう。改善できない場合には、その代替策を用意するのもいいでしょう。大事なのは、このように二人そろって前向きに検討していけるかどうかということです。そして、このようなワンランク上の夫婦になれたときこそ、本当の意味での「夫婦」になったといえるのではないでしょうか。
このように、本当の夫婦が生まれるのは、あくまで精神的な分野においてです。入籍や挙式は形式でしかありません。互いの悪いところが分かっても、いかに精神的にランクを上げて対応するか。これが重要になってくるのです。