12のハウス(室)それぞれがテーマを持つ
天体の配置図「ホロスコープ」を用いて、性格や人生を占う西洋占星術。生年月日だけでもかなりの情報が得られますが、出生時間と出生地がわかっているとさらに精密な占断ができます。12星座をあらわす円を、時間と場所から割り出す境界線で区切り、1~12のハウス(室)を設定します。各ハウスには意味があり、1室と7室、2室と8室など、向かい合っているハウスは、反対の意味を持ちつつ、共通のテーマを持っていると考えられます。3室とその向かいの9室について説明します。
他者との交流や学ぶことに対する意識
ホロスコープの3室と9室は、どちらも、その人の知識やコミュニケーションに対する考え方、取り組み方などを示すハウスです。つまり情報に関係するハウスで、そこに惑星が多いと、学ぶことや人との交流にこだわりや関心が強くなる傾向です。ただし、3室と9室には若干違いがあり、3室は主に身近な場所におけるコミュニケーションや学業などを示します。対する9室はもっと距離が離れた場所へと関心が向かっていくのです。3室が周囲の人との会話を重視するとしたら、逆に9室は例えば外国人のような未知の存在の人に関心を持つということです。また、これらのハウスは旅行を司るハウスでもあり、3室の場合は気軽に楽しめる短期旅行を、9室の場合はじっくり時間をかけて見て回る、長期旅行を好むといった形であらわれることもあります。
どちらが強調されているかでタイプが変わる
3室と9室の面白さというのは、どちらに比重が偏っているか、また、両方のバランスがとれているか、どちらもそれほど強調されていないか、などを確認しながらホロスコープをリーディングしていくとよくわかります。3室に惑星が多く、9室に惑星が少ないタイプの人は、いわゆる情報通で直接的な会話はもちろん、スマホなどを使って周囲の人と積極的に交流することでしょう。その中で必要な知識などを前向きに学んでいきます。そして、9室に惑星が多め、3室が少ないという人は、一見、それほど学業好きには見えないかもしれません。でもよく話すと、長期的な展望で自分のスキルを磨くことを考えていたり、留学に関心を示していたりすることがわかります。ある程度時間をかけて取り組み、確実にものにしたいと考えるのです。また、実際的な事柄だけでなく、精神的な成長を求める傾向もあります。このようなことから、3室重視タイプと9室重視タイプの人が接点を持つと、「考え方が違うな」と感じますが、それが面白い刺激となります。3室の人は相手から「すぐには結果につながらなくても、確実な知性」を、9室の人は相手から「人との活発な交流につながる応用がきく知識」を学べるのです。
能力を上手にアピールするといい
12のハウスは「アングル」「サクシデント」「キャデント」という3種類に分類されますが、3室と9室はその中で「キャデント」にあたります。キャデントというのは、他の2種類に比べると、影響が表面に出づらいハウスといわれています。つまり、3室や9室に入った惑星がもたらす影響、培うものは、すぐには他人に伝わりにくいかもしれません。それは、高い知性であったり、優れた折衝能力であったり、社会の中で活かされるものなので、上手く表面に出すことを意識するとよさそうです。また、3室にも9室にも惑星が入っていない場合、教育にあまり関心を示さない人かもしれません。ただし、そういう人は「アングル」や「サクシデント」に惑星が多く入っている場合もあり、自然と「注目を集める人」である可能性が高いのです。それはそれで、また強みとなります。