占星術では太陽系の主な天体にはそれぞれ象意があり、ホロスコープで重要な位置にあると、その天体の影響が強い性格や人生になるといわれます。たとえば金星であれば美や愛、財産が、水星であれば知性や若さといった要素が際立つでしょう。しかし、すべての天体がよい解釈を持つわけではありません。たとえば「土星」です。土星は試練の星といわれ、苦労や不運、厳しさなどの意味を持ちます。金星と土星が同じ位置にあると、金星(愛情)に土星(制限)の性質が加わり、恋愛下手な人になりがち。また、金銭面で苦労するかもしれません。しかし、土星はかならずしも悪い天体とは限りません。土星が良好に働いた場合、どんな影響をもたらすかを挙げてみましょう。
年上と縁ができやすい
土星は年配の人物をあらわす天体でもあります。土星が月や金星と重要な角度を形成する人は年上の女性と、また太陽や火星と重要な角度を形成する人は年上の男性と縁ができやすくなります。恋愛や結婚の対象であったり、自分を可愛がってくれる先輩や上司であったり、年上の人の影響が多い人生になるでしょう。本人の考え方も大人っぽくなるかもしれません。
浪費家になりにくい
土星は悪くいえばケチ、よくいえば倹約家の天体です。ドーンと気前よくお金をつかうのは苦手かもしれません。心配性な性格も後押しして、コツコツ貯金に励むなどします。周囲から「若いのに地味な生活だな」と思われそうですが、本人は気にしません。
結婚に結びつきやすい
恋人同士の相性を見るときは、二人のホロスコープを重ねて、重要な角度ができているかをチェックします。「ロマンティックな縁」や「会った途端惹きつけあう相性」などいろいろありますが、土星が強くからむと結婚につながりやすくなります。土星には物事を固定する力があるからです。ただし、他の天体の配置が悪いと、「心は離れている形だけの夫婦」という家庭内別居状態になる可能性もあります。
土星は痩せる?
土星が試練の星だとすれば、木星はその逆で幸運の星です。しかし、木星には物事を拡大するという意味があり、現在進行中の木星が、生まれた瞬間のホロスコープに影響を与えるとその時期は普段より太りがちになります。体が日増しに拡大する……というわけです。逆に節制を意味する土星がめぐってきたときは、ダイエットのチャンスかもしれません。
以上、土星のポジティブな解釈でした。占星術の知識を少し持つ人の中には、土星は不運をもたらす天体だと考える人もいますが、天体は道具でもあり、使いこなすことが大事です。土星のよい面を引き出せるようになりましょう。