「社内恋愛を禁止する」と社訓に掲げている会社は、今時まず見かけません。でも暗黙の了解として「社内恋愛は仕事の邪魔になる」という考えが根付いている会社や個人も少なくありません。恋愛中の本人たちは恋に夢中で気にもしないかもしれませんが、社内恋愛自体は禁止されていなくてもそれに不快感を持つ人は意外と多いということです。会社は一つの社会です。そこでの自分の立ち位置次第では、働きやすさも居心地の良さも自分に対する評価も変わってしまいます。また、自分の行動が恋人の評価にも影響を与えてしまうことがあります。だからこそ、社内恋愛をする時には絶対に守るべきマナーがあるのです。そこで、これさえ守っておけば、社内での二人の立場も二人の恋も、安心の社内恋愛マナーを5つご紹介します。
1. 名前の呼び方に注意
会社では、「呼び捨て」や「ちゃん付け」は禁止。○○さんもしくは○○くんなど、そのほかの同僚と同じ呼び方に徹しましょう。恋人同士が互いを呼び合う馴れ馴れしく生々しい言葉は、聞いている人に不快感を与えたり自分たちが冷やかされる原因になったりします。また、プライベートの呼び方と会社での呼び方を変えることが、自然と会社にふさわしい態度をとれるスイッチの働きもしてくれます。社内恋愛をきっちりコントロールできることで、逆に社内での評価がアップする可能性もあります。
2. スキンシップは軽いものでも禁止
肩をポンと叩く、髪についたゴミをとる、そんな些細なスキンシップなら、恋人ではない同僚だってしているから大丈夫だと思ってしまいますが、これ、本物の恋人同士がやるのと、他人同士がやるのでは、醸し出す空気が違います。本人たちは気づいていなくても、そんな軽いスキンシップにも甘えや媚が出てしまうのです。それを、周囲が微笑ましいと思ってくれるとは限りません。
3. 異性の同僚とは距離を取る
社内恋愛中であることを隠している場合にはお互いをヤキモキさせないために、社内恋愛を公表している場合にはいらぬ誤解を生まないためにも、異性の同僚とは少し距離を取ったつきあい方をするのがマナーです。これまで通りのつもりでも、ただの同僚である彼がほかの女子と仲良くおしゃべりしているのと、恋人になった彼がほかの女子とおしゃべりしているのとでは、感じ方が変わってきますね。男性側も、自分の恋人とほかの男性との距離の取り方に対して同じように感じます。また周囲の目も、本人たちはこれまでと同じ距離感のつもりでも、「彼女って○○さんと付き合っているのにほかの男性ともベタベタしてる」なんて陰口をたたかれる原因になるかもしれません。あからさまに態度を変える必要はありませんが、気をつけるにこしたことはないのです。
4. 通勤にも注意を
同棲中、お泊りデートの翌日、または単に待ち合わせたのだとしても、一緒に通勤をするのは考えものです。社内恋愛が禁止であれば、いつ誰に見られるか分からない以上絶対厳禁ですが、そうでない場合には会社を離れればプライベートは自由なはずだと、電車の中や駅でイチャイチャしていませんか?これ、見かけた人としては、やはり不快感を持つことが多く、会社で「ねぇねぇ見ちゃった」的な非好意的な噂を立てられることがあります。完全にプライベートである休日ならまだしも、ビジネススーツに身を包んだ通勤中は、社内での節度ある行動に準じておいた方が安心です。
5. 隠すなら徹底的に隠す
社内恋愛の禁止状況に関わらず、自分たちが恋愛中であることを公表すると煩わしいことが発生しそうな場合もあります。チームとしての仕事がやりにくくなったり、やっかみや嫉妬を受けそうだったり、人間関係などのトラブルにつながってしまいそうなら、自主的に隠しておいたほうが無難です。ただこの時、隠す以上は徹底的に隠すことが大切。自分の友だちには言っておこう、同じ部署の人には、上司にはと、特定の人だけに公表すると、秘密にされた人から別のやっかみをうけることになったり、少しずつ秘密の輪が広がっていって意味がなくなったりします。秘密は誰にも言わないからこそ秘密です。
ご紹介した5つの例以外にも、公私の区別をつけて社内でベタベタしないのは当たり前。もしプライベートでケンカをしていても、会社ではそれを表に出さないことなども当たり前です。これらのマナーは会社組織が大きければ大きいほど、古い体質の強い会社であればあるほど重要性が高くなります。また、これらのマナーを守ることは直接的に自分たちの立場を守るだけでなく周囲の好感を得ることにつながり、自然とそれが二人の恋愛を後押しする結果にも結び付きやすくなります。社内恋愛では恋する相手が近くにいる嬉しさからついついラブオーラ全開になって自滅してしまいがちです。我慢するのはつらいけれど、その分プライベートでたっぷり甘えるというメリハリをつけると、恋はもっと盛り上がりそうですね。