• 心霊恐怖体験
真夏の心霊恐怖体験

第4回 山で遊ぶ子供達

真夏の心霊恐怖体験サマーリゾートで起きた怖い話

行楽シーズン真っ盛りの7月~8月。この時期に各地のリゾートや観光地で怖い体験、あるいは理解不能な奇妙な体験に遭遇したというお便りやメールが毎年、数多く寄せられています。今までに送られてきた体験手記の中から、5つの話をピックアップして、連載形式でご紹介いたします。各体験談ともに追加的な取材を試み、その信憑性についても確認済みです。さらに霊能者の先生に依頼し、専門家の立場からの特別コメントもいただきました。真夏の恐怖体験談をじっくりとお楽しみください。

心霊実録File.04「山で遊ぶ子供達」~箱根登山道・某エリア

主人と2人で夏の箱根でハイキングしていた時のことです。明神ヶ岳から金時山へ抜けるコースの途中の山道で、不可解な出来事に遭遇しました。緑の中を歩いていると突然、横手の藪の方から複数の甲高い声が聞こえてきたのです。最初は鳥か獣の鳴き声かと思ったのですが、耳を澄ませてよく聞くとそれは大勢の子供が遊んでいる喚声であることが分かりました。思わず立ち止まり、主人と顔を見合わせて、「一体、何だろう」と首をかしげました。仮に小学生の遠足にしても、登山道を外れた藪の中から声が聞こえてくるのはおかしいと思ったからです。

私達が歩いている前方と背後には他に登山者の姿は無く、この時点で何となく嫌な予感がしたのですが、好奇心の強い主人は声の発生源を確かめようと、脇に外れた小径の方へサッサと分け入って行ってしまいました。しかたなく熊笹を掻き分けながらその後をついて行くこと数分、これ以上奥へ行ったら道に迷うのではないかと思うほど木々が鬱蒼と繁った場所にたどり着いたところで、私と主人は思わず足を止めて目をみはりました。いずれも5~6歳と思われる10人近くの子供たちが藪の中から顔だけを出して、こちらをじっと見つめていたのです。男の子は皆、坊主頭。女の子はおかっぱ髪でした。不気味に感じながらも、思わず声を掛けようとした私。それを主人がとっさに制しました。そして背負っていたナップザックの中から、お昼の弁当の残りやお菓子などを洗いざらい取り出すと、それを子供達の方へ無造作に放り投げたのです。

「何するのよ?」「良いから戻ろう」

そのまま主人に手を引かれて元の山道まで戻りました。しばらく無言で歩き続けているうちにいつの間にか子供達の喚声は遠ざかり、辺りは元の静寂に包まれました。少し落ち着いたところで、何であんなことをしたのかとあらためて主人に訊ねたところ、「ああしないと、ずっと俺達の後をついてくるような気がしたから」と言われました。理由は分からないが、彼らに食べ物を上げなければ二度と山から出られなくなる、とも思ったそうです。

あの日の出来事は、いまだに不思議な記憶として頭に刻み込まれています。

(投稿者:千葉県松戸在住・安藤操子さん・40才)

霊能者による真相究明コメント

人里離れた奥深い山中で人ならざるモノと遭遇したという話は、私もたびたび耳にしています。しかし箱根のように観光地化の進んだ場所で、そうしたモノに出会ったケースは珍しいのではないでしょうか。いずれにしても、ご夫妻が目撃した子供達は普通の人霊ではありません。山自体から発せられる霊気と草木や動物の意念が混ざり合って凝集し、異形の姿を成すことがあるのです。昔の人々はそれを物の怪、あるいは山姥、山童などと呼び習わしていました。それにしてもご主人が取った機転の行動はさすがです。かつて猟師や木こりなど山奥で仕事をしていた人々も、同じような方法で物の怪の害を逃れていました。

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