• 心霊恐怖体験
真夏の心霊恐怖体験

第1回 屋根の上の男

真夏の心霊恐怖体験サマーリゾートで起きた怖い話

行楽シーズン真っ盛りの7月~8月。この時期に各地のリゾートや観光地で怖い体験、あるいは理解不能な奇妙な体験に遭遇したというお便りやメールが毎年、数多く寄せられています。今までに送られてきた体験手記の中から、5つの話をピックアップして、連載形式でご紹介いたします。各体験談ともに追加的な取材を試み、その信憑性についても確認済みです。さらに霊能者の先生に依頼し、専門家の立場からの特別コメントもいただきました。真夏の恐怖体験談をじっくりとお楽しみください。

心霊実録File.01「屋根の上の男」~信越地方の有名リゾート・某ペンション

交際中の男の子と長野へ泊まりがけのドライブへ行きました。私も彼も学生なのであまりお金に余裕がなく、それでも時間だけは腐るほどあるので、早朝に東京を出て軽井沢を皮切りに小布施、戸隠まで駆け足で観光巡りを楽しみました。やがて夕刻となり、今夜はどこに泊まろうかと車内で話し合っていた時、ふとペンションらしき建物の影が目に飛び込んできました。

ロッジ風のなかなかオシャレな造りの建物でした。事前の予約なしでは泊まれないと思いましたが、試しに行くだけ行ってみようということになり車を停めたのです。広い玄関口から中へ入ると、フロントに人がいました。泊まれるかどうか訊いたところ、「予約のキャンセルがあったので大丈夫です」とすんなりOKの返事をもらうことができました。案内された部屋は2階の廊下の突き当たりでした。8時過ぎに1階の大食堂で食事をしたのですが、私達以外に宿泊客の姿はありませんでした。

その後、入浴して就寝したのは11時過ぎだったと思います。寝入ってすぐ、彼に肩を揺すぶられて起こされました。「どうしたの?」と訊ねたら彼、黙って窓の方を指差すのです。眠い目を擦ってその指先を追うと……。月明かりの漏れるカーテン越しに、男性とおぼしき真っ黒な人影が浮かんでいました!私は思わず悲鳴を上げ、彼の胸に抱きつきました。彼もガクガク震えていて、小さな声で「ここ……2階だよな。もしかして屋根に人が上がっているのか……」と。

そのまま数分が過ぎましたが人影は微動だにしません。やがて痺れを切らした彼が窓際へツカツカと歩み寄り、「誰だ!」と叫びながらカーテンを開いたのですが……そこには、誰もいませんでした。

2人で顔を見合わせて呆然としていると、今度は浴室の方から急に激しい水音が響いてきて、恐る恐る電気を点けてドアを開けてみたら、いつの間にか洗面台の蛇口から水が勢いよく噴き出していました。栓を止める時、その上の鏡に目が行きました。私のすぐ背後に彼、さらにその後ろに真っ黒な男の影が立ち尽くしているのが見えて、同時に耳許へ吐息混じりの低い声が囁きかけてきたのです。

「オレモ、イッショニ、ツイテイッテイイカイ?」

急に目の前が暗くなり、次に気がついた時にはすでに朝でした。彼によれば、あの男の姿を見た直後、私は「ダメ!ダメ!ダメ!」と絶叫し、その場に崩れ落ちてしまったそうです。

あの出来事に遭遇してから、カーテンの閉まった窓が怖くなりました。とくに日が暮れてからは、自分の家の部屋の窓にさえ近づくことができません……。

(投稿者:東京都足立区在住・絹田真優さん・20才)

霊能者による真相究明コメント

この手記の掲載に当たって、スタッフが体験者の絹田さんに直接取材したそうです。それによるとペンションのオーナーや従業員達は、客室に男の幽霊が出ることについて全く気付いていない様子だったとか。多分、本当にそうなのでしょう。何故なら、これは絹田さんとその恋人がドライブの途中で偶然拾ってしまったモノだと思われるからです。恐らくは自殺か交通事故で悲惨な死を遂げた男性の地縛霊。私の霊査リーディングでも、かなり悪質な邪気を捉えました。完全に悪霊化しています。幸いなことに絹田さん自身は憑依を受けずに済みましたが、その代わりにこの霊は今、当のペンションに居着いてしまっています。今夏こちら方面の避暑地へお出掛けの際には、くれぐれもご注意ください。

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